環境科学センターのロゴ

  環境科学センター  > 研究成果「主な研究・調査結果の紹介」

廃棄物リサイクル施設から発生する
   大気汚染物質と処理対策の効果
 近年、ごみを資源として有効利用するため、ごみ燃料化施設などの廃棄物リサイクル施設が神奈川県内にも多く設置されています。その一方で、これらの施設から排出される大気汚染物質の実態は明らかではありません。
 そこで、排出実態を調査するとともに各種排ガス処理装置(脱臭装置)の低減効果を把握し、有効・適切な低減対策等を検討しました。
ごみ燃料化施設とは?
  ごみ燃料化施設では、廃プラスチックを主原料として、破砕、成型などの工程を経て、ペレット状のごみ燃料(RPF)を製造しています。
 圧縮成型する工程において摩擦熱によって臭気を伴うガスが発生するため、排ガス処理装置を設置して処理しています。
 RPFの原料:容器包装リサイクル法や産業廃棄物のプラスチック(塩ビを除く)に、燃料としての発熱量を調整するため、木くず、紙くず、布きれなどを混合している。
RPFの図
調査 対象:排ガス処理装置
 処理装置には、様々な方式がありますが、ここでは、(1)活性炭吸着、(2)スクラバー(洗浄塔)、(3)スクラバー+(プラス)活性炭吸着の異なる方式の装置を持つ3施設を調査対象として、それぞれの処理前、処理後の大気汚染物質を測定しました。
結果 1 発生していた大気汚染物質
1.合板などの接着剤に由来するホルムアルデヒド、トルエン、ジクロロメタン、プラスチックに由来するスチレン
2.圧縮による摩擦熱などのため、接着剤やプラスチックなどが熱分解して発生するアセトアルデヒドなどのアルデヒド類
3.断熱材などの発泡剤に用いられるフロン類、代替フロン類、木くずに由来するピネン、リモネンなどのテルペン類
結果 2 排ガス処理装置の効果
(1) スクラバー(水吸収)方式:水溶性のアルデヒド類以外はほとんど処理されていませんでした。水とガスとの接触効率を高める必要があります。
(2) 活性炭吸着方式:活性炭交換1週間後の測定では、ほとんどの物質で80%以上の処理効率がありましたが、2週間後では処理効率が大きく下がっていました(↓下図)。
 原因としては、処理ガスの温度が高く、水蒸気を多く含んでいるため、活性炭が破過したものと考えられます。
(3) スクラバー+活性炭吸着方式:送風機の能力不足のため、活性炭の充填量が少なかったため、高い処理効率は得られませんでした。
処理効率の改善方法:適切な量の活性炭を充填した吸着処理装置を用い、前処理としてスクラバーなどで温度を常温まで下げて、水分除去を行えば、活性炭の寿命を延ばせ、高い処理効率を保てます。
また、処理装置の維持管理として、スクラバー水の入れ替え、活性炭の交換時期の把握などが重要です。
グラフグラフ
 図 排ガス処理装置の効果 (活性炭処理方式 左が活性炭交換1週間後、右図が交換約2週間後)
  ※クリックすると拡大して見られます。

発表のマーク  この研究は平成17〜18年度に経常研究として実施し、結果については、「第31回 環境・公害研究合同発表会」(平成19年6月)で発表しました。
 
→ 講演要旨集は、こちらのページをご覧ください。
【神奈川県環境科学センター 環境技術部廃棄物担当】