こんなところにダイオキシン類が
○きっかけは
  目久尻川は相模原市、座間市付近に発して相模原台地を湘南地域に南下し寒川町で相模川に注ぐ延長19kmの1級河川です。この目久尻川の水のダイオキシン類濃度が水質基準を超えていました。川周辺の事業所を調べましたが、発生源はなく原因が分かりませんでした。

○調べたことは
  目久尻川の水は水田に利用され再び川に戻されていますが、ダイオキシン類濃度がかんがい期に基準を超えたことから水田土壌との関連に着目しました。
 ・そこで、周辺の水田土壌、かんがい期の水田土壌粒子を含んだ川の水及び農業用水路の水について、ダイオキシン類の濃度を調べました。

○分かったことは
 ・周辺の水田の土壌中にダイオキシン類が210pg・TEQ/gありました。
 ・かんがい期の川の水(宮山橋)は水田の代掻き時や6月の降雨時など水田の水が川に流出している時にダイオキシン類の濃度が高くなりました。また、7月の水田に水をひいていないときは低くなりました。
 ・川と農業用水の水のダイオキシン類濃度は水の中の土壌粒子など(SSと表記)同様に高くなったり低くなったりしました。
2002年6月から10月までのダイオキシン類濃度のグラフ
宮山橋付近の川及び農業用水路の6月から8月までの1ヶ月毎のダイオキシン類濃度及びSS濃度のグラフ
   (川の水のダイオキシン類と                土壌粒子の濃度の変動)
○もっと詳しく調べたら
  ダイオキシン類はたくさんの異性体の混合物です。そこで、出所を調べるためその異性体の濃度の割合を水と水田土壌を比べてみました。
 ・川の水、農業用水の水、水田土壌中のダイオキシン類の異性体の割合はほぼ同様でありました。これはこれらのダイオキシン類が同一の発生源に由来していることを示唆しています。
 ・なお、川の水の環境基準は1pg・TEQ/l、河川の底質の環境基準は150pg・TEQ/gです。かんがい期の目久尻周辺の水田土壌中のダイオキシン類濃度を河川の底質基準と比較するとこれを超えていました。
水田土壌、川の水、農業用水のダイオキシン類の異性体濃度の割合のグラフ
   (水田土壌、川の水、農業用水のダイ           オキシン類の異性体濃度割合)
○結論は
  水田土壌中にあったダイオキシン類が水田の代掻き時や雨が降ったときに土壌粒子と一緒に農業用水により川に運ばれて、一時的に環境基準を超えたと考えられます。

○どうして水田土壌中にダイオキシン類があるのですか?
  1960年代から1970年代に使用された水田除草剤のPCP,CNPの製剤の中に不純物としてダイオキシン類が含まれていました。これらの除草剤は現在は使用されていませんし水田土壌中にも存在しませんが、ダイオキシン類は非常に分解されにくいので今でも残っているのです。
ダイオキシン類(2,3,7,8−TeCDD)の分子構造 CNPの分子構造
○大丈夫ですか?
 ・ダイオキシン類は水に溶けにくいので稲には吸収されません。したがって米にはダイオキシン類は取り込まれません。
 ・しかし、一時的にではありますが水田土壌中のダイオキシン類が河川に影響を与えますので、これからさらに詳しい調査を予定しています。

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